「一括見積もりって実際どうなんでしょうか?」内装のプロがお答えします。
2017/06/14
美容室や飲食店など店舗の内装について、いくらかかるのか?どこが安いのかなど、気になっている方も多いと思います。
そんな時ネットで検索するとよく目にするのが「一括見積もり」。本日はそんな店舗内装の一括見積もりのことをお話いたします。
内装デザインはオーダーメイド。単なるショッピングとは違う
ちょっと一括見積もりを考える前に、こんな例を挙げてみたいと思います。
・ご自宅の近くに3つのスーパーがあったとします。今日は牛乳を買おうかな、と3つのお店を回ったら最初に行ったAスーパーが他の店より30円安かった。
・楽天でコンタクトレンズを買おうとして、調べたら最安値はBの店でした。
・欲しかったダイソンの掃除機、価格ドットコムで調べたらCの店が一番安かった。
上記3つの例は基本的にはどれも同じ商品であり、性能や品質にはほとんど差がないものです。であれば、一番安いお店で買えばいいと思うのです。
しかしながら、店舗や美容室の内装の場合はそうはいきません。例え同じ価格で見積もりが上がってきても、使用する床材やクロス、職人の腕、仕上げの精度などをトータルで考えると、最終的な店舗の出来上がりは全く違うものになります。
理由は簡単で内装デザインというのはオーダーメイドだから。
また、これと言える費用が明確に出せないことが内装工事の費用をわかりにくくしてる原因でもあります。
一括見積もりについてどう思うか?
一括見積もりは正直なところプロの目から見ると、あまり意味がないと思います。
よくあるのが、店舗の内装工事の費用を比較するサイト。
匿名で複数業者に一括で見積りをとることが出来るサービスがありますが、現地調査やヒアリングもなしの見積りに信憑性は全くありません。
当然各社ざっくりとした条件では曖昧な金額しか提示できないものです。
ただ連絡がもらえるように想像出来うる最も安い金額を提示してくるのです。そうすると起きるトラブルは、実際に会って細かい見積もりをとってもらったら想定よりも遥かに高額になっていたということ。
であれば、そもそも一括見積もりした意味ってあるのか、、、と疑問に思ってしまいます。
一括見積もりの儲けのからくりシステムとは?
Largoはこういった比較サイトに登録していないので、ためしに登録してどういうからくりなのかを確認してみました。
一括見積もりを運営している会社からすると、利益をださないといけないのですが、その利益の源とはなんなのか。
紹介料が10%も差し引かれる仕組み…
実際登録してみたそのサイトから依頼された仕事をすると、依頼金額の10%が請求される仕組みでした。(この費用はサイトによって異なりますが、平均すると5〜10%のようです)
例えば1000万円の内装工事費用とすると100万円はその一括見積もりサイトに支払うというわけです。
100万円の利益を一括見積もり業者に払っていては、会社の経営ができないので、実際はその100万円分をお客様の見積もりに入れます。少しずつ色々なパートに分けて。
しかしそれでは見積もり金額が上がってしまい、お客様から内装施工の仕事を受注できません。よって無理矢理に値段を下げて提示するわけです。
実際きちんと仕上げようとすると1000万円かかる内容のデザインを700万円で出来ますよ、と。
当然この金額では実際出来ませんから、事実上は意味のない見積もりになってしまいます。
お客様は喜んでその内装デザイン会社と会って話すけど、金額が全然合わない。お互いが不幸ですね。。。
一括見積もりのまとめ
今回の話をまとめて言えることは
・条件があいまいな見積もりには意味がない
・一括見積もりはお客様にとって割高な手段
・見積もりは完全オーダーメイド。現地調査、ヒアリングを入念に行わないと正確な見積もりは出ない
ということです。
店舗内装の相見積りであなたがとるべき行動とは?
一括見積もりと相見積もりは全く別のものです。
また、内装工事の費用をざっくりでもいいから知りたいとい行動と、内装工事の費用を抑えたいという行動は全くの別ものです。
できるだけ安く、そして希望に沿った内容にしたいなら、選び抜いた 2社から3社に見積り依頼をお願いすることです。
その際は必ず、どういうイメージに仕上げたいのかをしっかりと準備して打ち合わせに望み、現地調査や使用する材料など細かいところまでを話あってくれる内装業者さんを選んでください。
Largoでも相見積もりはウェルカムなので是非お会いしてお話しましょう!