内装業者が教える「美容室に最適な物件のチェックポイント」とは

      2017/04/11

美容室の開業が決まったら、物件探しがスタートです。

その物件で自分の事業がうまくいくかどうかはマーケティングなど内装とは関係無く必要なことも多いので、こちらでは一旦割愛させていただきますが、建物単体で見た時に注意またはチェックすべきポイントがあります。

建物の機能や設備といった点については一旦借りてしまうとなかなか変更が難しいもの、よく注意してください。

設備チェック項目を知ろう

湘南藤沢の美容室AUBEの実例

美容室開業のための物件選びは、どこをチェックすればよいのでしょうか?

内装装飾の部分は一旦割愛すると、皆さんが見るべき箇所は、水道(水回り)、ガス、電気、でしょう。

※なお、これらは素人目では正確ではないことも多いため、必ず最終的には私たち専門家の意見を受けて下さい。

それでは早速チェックする部分の詳細をみていきます。

① 水道(水回り)の給排水管のチェック

美容室は、シャンプー等で水を大量に使う業種ですから、水回りは大変重要なチェックポイント。

引き込み水道管の口径

上水道の店舗全体の水道効率は、引込水道管の口径で決まります。美容室の場合なら、20mm以上は欲しいですね。古い物件になると13mmのものもあるので、注意が必要です。

美容室はシャンプーが不可欠、よってシャンプー台の水量が少ないのは大変な問題になります。そうなってくると、シャンプー台を何台設置するかによって、どのくらいの水量を確保する必要があるのか異なってきます。

水圧について

また物件のテナントの階数によっても高い場所は水圧が不足しがちです。あまり高層階になることはないでしょうが、それでも美容室の場合は水道はかなりキーになることを覚えておいて下さい。

水圧は最低2.0気圧あるのが望ましいところ。圧力ポンプの導入という手もありますが、さらに工事費がかかりますので、水圧について事前に必ず確認しましょう。

排水設備もチェック

美容室の排水管

また、排水管のつまり等のトラブルも避けたいものです。

理想的には排水管の経口は、最低60mm~75mm以上があれば安心でしょう。このあたりも同時排水する量がポイントとなっており、シャンプー台の数によって異なりますので、自分が設置したい台数は、借りたい物件の給排水管で足りるのかどうか考えなければいけません。

そういった意味では多くの美容室を手がけている内装業者さんが知識豊富で安心です。

②ガスをチェック

ガスの場合は都市ガス or プロパンガスのどちらかを調べるのが先決です。

これは直ぐにわかるので、事前に内見前にでも不動産屋に問い合わせておくことも可能です。

都市ガスは配管を通して供給されるのですが、プロパンガスの場合はガスボンベの設置が必要となります。

ガス別のチェックポイント

美容室に必要なガスボンベ

都市ガスの場合は、美容室を開業しても大丈夫な容量が供給可能かをチェックします。これまでに同物件で美容室の実績があれば安心ですが、その際はシャンプー台の数などの条件比較をお忘れなく。

プロパンガスの場合はボンベの設置場所を考える必要があります。プロパンガスはガスの配給会社の料金設定なども考慮し、契約時には美容室の規模に合った過不足の無い最適な契約を行いましょう。

ちなみにまた後日お知らせしますが、プロパンガスの場合はガスの配給会社によって料金が大きく異なるため、必ず数社から見積もりをとりましょう。

③電気をチェック

美容室で必要な電気電源

水道と同様に美容室はドライヤー、パーマ用機器、照明など、たくさんの電気を使用する業種です。そのため物件を探す際には必要な電気量をTOTALで計測(計画)する必要があります。

この計算を間違えると、美容室の営業時にブレーカーが落ちてしまう等の大変なトラブルにつながりますので、物件検討時には大変注意が必要なポイントの一つ。

電気を使用するものには、施術で使用する機器のほかに、空調や照明などの電気も考慮しなくてはいけません。例えばドライヤーは1台あたり、15アンペアが必要になります。

dr5

自分が考えている美容室のセット面の設置台数が3台の場合、だいたい50アンペアほどは必要になると考えられます。

必要な電気量は、消費総電力(w)ワット÷100=A(必要アンペア)で計算することもできるので自分の美容室でどのくらいの電気量が必要かは、必ず、計算しておきましょう。

電気量が不足する場合、工事が必要となりさらにコストアップになる恐れがあるのでご注意を。

最後に

美容室は設備コストが大量にかかる事業です。一般的な店舗と違い、水道、ガス、電気を大量に使用するため、これらを計画的に配給する必要があります。

そういった意味では不動産屋会社の方にはわからないことも多く、なんとなく不動産屋さんの言いなりで大丈夫だろうと借りてしまい痛い目を見るのはとても残念なことです。

また、何か一つ条件を満たせない場合、実は解決できる手段もあるものです。

そういったアイデアが出せるのも私たちのようなプロの腕の見せどころ。是非一度ご相談くださいませ。

店舗デザインのご相談、ご依頼はLARGOまで

Largoでは、美容室、オフィス、店舗の内装を空間デザインから施工まで一貫して請け負っております。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

LARGO公式ホームページ

美容室やヘアサロン、飲食店の内装デザインを手がける 株式会社 Largo I バランスをデザインする会社

内装デザインのlargoのバナー

<おまけ:覚えておいてほしいこと>この物件良さそう、と思ったら?

どんなに魅力的な物件であっても、私たち内装の専門家の意見を聞く前に契約をしないことです。どんなに不動産屋さんに「人気の物件ですから、すぐ無くなります」と言われても決してやってはいけません。

その理由は先日の記事にも書きましたが、主に

① この物件が希望の美容室や飲食店の条件に本当に合っているのか?

② 内装費用はどのくらいになるのか?

③ A、B、C工事の区分についてはどうするのか?

④ 造作譲渡の条件は?

といった条件が不確定だからです。例え過去に美容室だった期間がある、または居抜き物件だったとしても、時間をかけて交渉できる③や④、そして実際に設備を見てみないと判断が難しい②については即断出来ないものです。

美容室や飲食店といった設備コストの場合は、内装はシンプルなデザインだからそんなにお金がかからないだろうというのも甘い考え。

美容室や飲食店などの場合、電気工事、給排水設備など設備工事費が全体のうちの40〜50%と高めになるため、トータルで見ると内装の装飾にかかるコストだけではいくらかかるのかは評価できません。

借りたはいいけれど、職人さんが手一杯で工事開始できないことも

シーズン的に忙しい時期であれば私たち内装業者も対応できないかもしれません。そうすると契約日以降、営業開始までに間が空いてしまい無駄な家賃が発生してしまいますので絶対にやめましょう。

 - 工事作業, 美容室